幼馴染で大好きだった女の子に30過ぎたおっさんの婚約者ができた・・・俺『僕の事きらいなん?』女の子『ううん、好きだよ…ずっと。でも18になったらその人と結婚するんだって』→衝撃の結末!!

ちょっと昔の話だが、田舎の村から幼馴染の子と駆け落ちして逃げたwww
とんでもないしきたりのある田舎www
小学生の内から婚約者の内定みたいなのを決めてたりする田舎。
十歳上の許嫁とかリアルで有ったとんでもない所です
で、例外なく僕にも許嫁がいました。
仮に名前を有紀子とします。彼女は同い年。
ただ、村の権力者の大地主の所の娘。
本来なら僕の実家の様な弱小農家と許嫁など結ぶことがあり得ないのだが、
僕らの生まれた年に許嫁を結べる子供が居なかった
(ここは聞いた話なんでよくわからない)
というのと、地主夫婦がまだ若く
家を継ぐ男の子がどうせ生まれるという理由で、彼女と許嫁になったらしい。
僕の両親、祖父母に関しては大喜び。
婆ちゃんなんてその話が決まった時(僕が生後半年位)
神棚に一晩中お礼を言い続けたらしい。
また、村でもちょっとした話題になったという
そんな関係なんで、有紀子とは小さいころから仲が良かった。
彼女の家にも頻繁に遊びに行ってたし
小学校一年くらいまでは一緒にお風呂に入ってた。
家の人もかなり暖かく迎えてくれていた。
小学校高学年になる頃には、お互いに将来結婚する事がしっかり意識出来てた。
というか、僕は実際有紀子が大好きだった。
なので、周囲の同級生が「あの子好きだ~」とか
「でもあの子○○好きなんだぜ」とかの話題で
一喜一憂してる時はすごい優越感があった。
僕の通っていた小学校はいくつかの村から子供が集まってくる所だったが
許嫁制度があるのは自分の村だけだったようで
僕たちの関係はかなり好奇の目で見られたし、女子にはかなりからかわれた。
ところが、中学校に上がった頃。問題が起こった。
地主の夫婦、つまり有紀子の両親だがいつまでたっても子供が生まれない。
期待されていた男の子が生まれない。これに地主の一族が焦り出した。
若い事に期待してすぐに次の子供は生まれると思っていたから。らしい。
実際、有紀子の両親は結婚してすぐに有紀子が出来ている。
更に悪い事に、有紀子の母親が病気になり子供が期待できなくなってしまった。
こうなってくると話が変わってくる。
中一の11月。僕と両親は有紀子の家に呼ばれた。
そして、有紀子の婆さんからいきなり
「お宅の倅とわしの孫との許嫁の話は無かった事にする」と一方的に告げられた。
そして、その後何も言う間もなく追い返された。
僕は全く状況が理解できなかった。
父親は茫然としてるし、母親は唇を真一文字に結んで震えていた。
家に帰って両親が祖父母にその話をすると、祖母は僕に
「何かお嬢さんに粗相したんじゃないか」
と詰め寄り、祖父は魂の抜けたようになっていた。
それからというもの、我が家は村の中で非常に肩身が狭くなっていた。
村中の噂の的になってしまった。
「鯛に逃げられた」とか「地主さんの目が覚めた」だの。
母が日に日にやつれていくようで、子供ながら非常に申し訳ない気持ちだった。
そして、中二の春。
僕は許嫁解消以来、話しかけられなくなっていた有紀子に声をかけた。
彼女も僕を避けるような感じになっていたんで非常に気まずかった。
「なぁ。僕の事きらいなん?」
どう声を掛けていいか判らずとっさにこう言ってしまった。
恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
すると「ううん。好きだよ。ずっと」と言われた。
もうタヒぬかとおもった。
「じゃあなんで?」と思わず詰め寄ると、
「お婆ちゃんが、お家の為だからって。もう新しい許嫁も決まってる」
・・・タヒにたくなった。
「誰!?」
思わず大声をだしてしまい、有紀子が肩をびくっとさせた。
「・・・○○さんの家の太一さん」
聞いて愕然とした。
その家は確かに名家だが、そこの太一と言えば三十過ぎのおっさんだ。
ショックで何も考えられなくなり「あぁ・・そう・・」としか言えなかった。
さらに彼女はつづけて言う。
「あのね。18になったらその人と結婚するんだって」
吐き気がしてきた。彼女が18の時、太一は40になっているはずだ。
その日は、どうやって家に帰ったのか覚えていない。
気が付いたら自分の部屋にいて、泣いてた。
悔しくて悔しくて仕方なかったのを覚えている。
翌日、目が真っ赤になっていたのが恥ずかしくて学校をさぼった。
しかし、1週間もすると絶望感よりも怒りが込み上げてきた。
当時、良い感じに中二病を発症し始めていた僕の思考は
1、太一を消す
2、太一を浮かす
3、太一を○○
の三択になっていった。
ジャ○プの背表紙裏の通販で購入したエアガンを持ち山に入り
射撃訓練を繰り返し来るべき決戦に備えた。
しかし、ここで思わぬ問題発生。太一は引きこもりだった。
ターゲットが表に出てこないのでは意味がない。戦わずして敗北感が漂う。
どうする!どうするの俺!と無い頭絞って
とにかく太一を○○することを考えていたある日
夜、食事中にみていたTVドラマから思いもよらないヒントを得た。
そのドラマでは、両親に反対された男女が遠くの地へ仲良く逃げる話が描かれていた。
そう。「駆け落ち」である。すぐに僕はコレだ!!と思った。
この時の僕に駆け落ちの大変さなんて微塵も判るはずもない。
何故ならドラマはハッピーエンドだったから。
この時の僕の心の声「何があっても有紀子は僕が守る!」
今思い出しても恥ずかしくてタヒねる黒歴史。
そうと決まれば善は急げとばかりに準備を進めた。
まず、JAで全財産をおろす。お年玉貯金だ。
・・・しかし、思った以上に金額は少なかった。
10万チョイ。記憶通りならもっとあったハズ。
良い子のみんなは、お母さんにお年玉は預けちゃダメだぞ。
そこで、欲しいものが出来たと嘘をつき
おこずかいの前借や祖父母の手伝いで資金集めをした。
結果12万弱が駆け落ち資金となった。
そして、7月25日。夜11時。僕は有紀子の家に侵入した。
闇に紛れる為、全身黒の衣服に黒のバンダナで口元を隠し、サングラス。
どう見ても不審者です。ここで気付く。
夜、サングラスでは何も見えないという事に。
サングラスは速攻で捨て、レッツ潜入。
彼女の家は犬を飼っていたが、幸い僕に慣れていたので
吠えられることなく彼女の部屋の窓の前までたどり着いた。
まだ起きているようで電気がついていたので、ゆっくり窓を開ける。
結論から言おう。
女の子の部屋の窓は許可をもらってから開けよう。お兄さんとの約束だ。
衣類の整理をしていたらしく、下着が床にいくつもおかれていた。
「よっ!」と明るく声をかけたものの目線が自然とそちらに向く。
彼女は一瞬声をあげそうになったが、押し黙って
僕にビンタすると「ちょっと待って」と言ってカーテンを閉じた。
数分してカーテンが開き「はいって良いよ」と言われ室内へ。
久しぶりに訪れた有紀子の部屋は女の子らしい部屋になっており、
その雰囲気とパジャマの彼女と相まって胸がドキドキして苦しかった。
「それで、こんな時間にどうしたの?」と言われ
思い切って「僕と駆け落ちしよう!」と告げた。
有紀子はかなり驚き「え!?無理だよ!」とか
「子供には出来ない!」と言っていたが
僕はここで、ぼくのかんがえたかっこいいせりふを放った。
「大丈夫!どこでどんな困難があっても僕が有紀子を守って見せる!」
・・・自分は痛い子です
しかし、意外な反応が有紀子から帰ってきた。
「本当?」
じっと僕の目を見つめて目をうるませている。やばい。胸の鼓動でタヒにそうだった。
「もちろんさ!」
そう言ってそっと抱き締めた。
この時、僕は最高に僕自身に酔ってたわけで。。
で、打ち合わせの末三日後に村を出ようと決めて、その日は一時帰宅。
そして運命の三日後。午後3時。
僕は部活と偽り、村のバス停へ。
有紀子は図書館に行くと偽りバス停へ。
ここから僕らの駆け落ちが始まった。
バスが村の境を抜けた時。僕の心の中は 成功 の2文字しか無かった。
この後行くあて等有りもせず、数少ない資金。
けれどそんな事など一切頭にない。
何故ならドラマの中の駆け落ちはハッピーエンドだったからという理由で
そして、バスが町の駅に着くとその駅から出る電車で一番遠い町の切符を買った。
駆け落ちとは遠くへ行くものだと思っていたから。
そして電車に乗り、目的地に着くまで2人でずっと他愛ない話を続けた。
電車を降りると時間はもう夜の8時をまわっていた。
見知らぬ町の夜。急に不安になってくる。
「ねぇ、夜どうするの?」
そう言われてハッとする。
なんと言ってもノープラン。そんなこと考えてなかった。
「大丈夫だよ!」と粋がって見せ、近くの旅館の受付に入ってみる。
「すみません。2人なんですけど大丈夫ですか?」
受付のおばさんが不審そうな顔で僕たちをみる。
「君たち、2人?親御さんは?」
やはり中学生2人と言うのは怪しいのか。
「ええ、親戚の家まで夏休みを使って2人だけで行ってみようって。その途中なんです」
有紀子がアシストを入れる。
「けど、電車間違えちゃって。電話したら
 今日はどこかに泊って明日行きなさいってお母さんが」と続ける。
やはり、疑うような視線を向けてきたが、
「では、こちらに記入を・・・」と受付の用紙を出してきた。
僕がホッとしたのもつかの間。
用紙には住所と連絡先の欄があった。
しかし、ここで躊躇えば、間違いなく怪しまれる。 
そう思い、半ば投げやりな気持ちで自分の住所を書いた。
電話番号だけは1文字変えてかいた。
部屋に案内されホッと息をつく。
「とりあえず、ゆっくりしよう。お風呂入ってくるね」
そういうと有紀子は部屋をでる。彼女が部屋を出た後、どっと疲れがでた。
今日は何とか泊る事に成功した。
けど明日は?今後資金はどうする?など
ここにきて僕の無計画さから来た問題点が一気に噴出した。
最大の問題は宿泊所と資金だ。
今日だけで二万円は使ってしまっている。あと数日も持たないのではないか。
どうしようもない不安が押し寄せてきた。
気を紛らわせようと風呂に行く。
だが結局もやもやしたまま風呂を出た。
部屋に戻ると、有紀子が浴衣に着替えて布団に座っていた。
その瞬間、さっきまで考えていた不安が引っ込むと考えは下心に切り替わった。
何でもないふりして隣に座る。良い匂いがする。
もう期待感MAXだった。
「どうしよう!どうしよう!」と心の中で勝手に先走った考えでいっぱいだった。
「ねよっか。疲れちゃった」
有紀子がそういって僕を見た瞬間。よっしゃ!と思いましたね。
まぁ、結局どうしたらいいかも判らず、僕もヘタレだった為
何も起こらず2人別々の布団に入る。
電気を消すとまた、明日からの不安が押し寄せてくる。
「どうなっても私はいいから」
不意に有紀子が言う。どういう意味かは聞けなかった。
ただ「ああ」としか言えなかった。
結局何も考えつかないままその日は眠った。
次の日。朝早々と旅館を後にした。
あまり長くいると、親に連絡される可能性あり
電話番号が違うのもばれると思ったからだ。
旅館を出て、有紀子に「東京を目指そう」とつげた。
東京に行けば何とかなる。そんな安易な考えで。
彼女は何も言わず頷いた。東京までの行き方を調べる。
とりあえず乗り換えのある駅まで行くことにした。
電車の中での会話は少なく、代わりに手を握る時間が長かったと思う。
そして、乗り換えの駅に着く。
もうすぐ東京。そこまで行けば・・という根拠のない希望があった。
そしてまた電車を乗り継ぎ僕らは東京まであと少しと言うところまで
たどり着くことに成功した。時刻は夕方6時。
今日はこの町に泊ろうと前日と同じように宿を取った。
その次の日。
宿を出たところで僕たちはK察官に補導されることになる。
僕らの宿泊を不審に思った宿が住所の番号に連絡→番号違う
→K察にという流れだったらしい。
さらに、僕らには当然のごとく捜索願が出されていたらしい。
僕らの駆け落ちは何ともあっさり終わってしまった。
K察署までは有紀子の両親と僕の父が迎えにきた。
父は僕を思いっきり殴った。痛みよりも悔しさでいっぱいだった。
有紀子は両親にさっさと連れられて行ってしまった。
ドラマみたいに上手くはいかないという現実を一気に突きつけられ、悔しくて仕方なかった。
父が少年課の刑事さんに頭を深々と下げてまわる。
その中、一人の刑事さんが僕に声をかけてきた。
「この年で駆け落ちとは無茶苦茶したなぁ」
思わず睨む。が
「でもな。勢いだけじゃ何にも出来んかったろ?」
「それ勉強したらどうするかな」と言われた。
正直その時は全く理解できず、馬鹿にされたと思っていた。
僕は家に連れ帰られ、父、母、祖父母と親戚にこれでもかと怒られ、
今後、有紀子と彼女の家に近づく事、そして残り夏休み外出禁止を喰らった。
両親と祖父母は有紀子の家にただひたすら謝り続けた。
一週間もすれば村中の噂はこの話で持ち切りだった。
だが、噂の内容は僕が有紀子を誘拐した事になっていたが。
そして夏休みが明けて学校に行く事になった。
久しぶりに堂々と有紀子に会える。そう期待して学校へ。
しかし有紀子は学校に来なかった。
「体調が悪いのか」
そう思っていた。だが次の日も有紀子は来なかった。
すると、クラスの女子で有紀子の友達が話しかけてきた。
名前をぶー子とする。理由 当時のあだ名。本名は裕子 見た目で。
「ねえ、有紀子なんで急に転校なんてしたのよ?」
「は?」
何言ってんだこいつ?トリュフとマジックマッシュルームでも間違えたか?
「だから、なんで有紀子転校なったの?あんた同じ地区でしょ?何か知らないの?」
聞き間違いじゃなかった。
「・・しらない」
転校?全く意味が判らない。あの家は引っ越しなどしてない。
ぶー子に詳しく話を聞く。
「なんか、おじさんの家から通うって言ってたけど。高校も向こうで行くって」
ショックで頭がおかしくなりそうだった。
僕はこうして有紀子と完全に引き離されてしまった。
それからは毎日茫然とすごした。連絡を取る手段もない。
もうこのまま二度と会えず、有紀子はあの太一のものになってしまうのか。
そんなのは絶対に嫌だ。けれど、僕にはどうしようもない。
ただ時間だけが過ぎ、有紀子と引き離されて一年が過ぎた。
この間、何度か有紀子に連絡を取ろうと試みたが全て失敗に終わっている。
思わぬチャンスが訪れたのは中三の冬。
もうすぐ高校受験を控えた時期の事。
僕らの中学の生徒のほとんどは地元の高校へ行くのが大半である。
クラスではグループ学習の時間があり、試験対策勉強を行っていた。
僕のグループは男子3人女子2人の5人グループ女子の一人はぶー子だ。
問題集の答え合わせをしてる時、ぶー子がおもむろに口を開く
「そういえばさ~有紀子。○○高校行くらしいね~」
・・・思わぬ所から出てきた有紀子の情報に思わず反応してしまった。
「えっ?えっ?それマジ?」
この反応はまずかった。
ぶー子はニヤりとすると鼻をふくらませブヒブヒいいながら
「あれ~気になっちゃう?」とからかいだした。チャーシューにするぞ。
「いや、別に・・」あせって何でもないふりをする。
ぶー子は「ふ~んww」と言いながらもニヤニヤしながらこっちを見る。
「まぁ、わたしも昨日電話で聞いたんだけどね~」
なん・・・だと・・・
思わぬところで有紀子と連絡を取る手段を見つけてしまった。
伝書鳩ならぬ伝書豚を。問題はどうやって聞き出すか。
このお調子者のことだ。食い物で釣ろう。給食のシュークリームを使う事に決めた。
その日の放課後。ぶー子にシュークリームを手渡す。
「有紀子の連絡先教えてほしいんだ」
ぶー子が目をキラキラさせながらにやける。
「フヒwwなんで?w」屈辱だが背に腹は代えられん。
「理由は聞かないでくれ。頼む」
「まwwいいけどwwはいww」
電話番号を教えてもらい、近くの公衆電話から掛けようと教室を出ようとした。
「あwwwでも、それ有紀子の親戚でるから取り次いでもらわないといけないけどwww」
ぶー子テメェ。
「あww私が取り次いでやろうかwwwそん代わりww洗いざらい話せよwww」
この豚。思わぬ策士。
しかし、このチャンスを逃せば永遠に有紀子と連絡は取れない。
僕はぶー子に屈してしまった。
「うぇwww駆け落ちとかwww無計画ワロスwwwブヒヒww」
やっぱりコイツに話すんじゃなかったと大後悔時代到来。
「でもあんた男らしいじゃんwwちょっと惚れそうwww」マジでやめろ。
「いいよw取り次いでやるよww」
ぶー子と公衆電話に向かう。ぶー子が電話をかける。
「あ、もしもし。私有紀子さんの友達の裕子と申しますが。有紀子さんいらっしゃいますか?」
・・・いつもとキャラ違うぞ。借りてきた豚の様だ。
「あ、もしもし?有紀子?久しぶりwwちょっと替わるねww」
ほいっといきなり受話器を渡してくる。
「ちょ・・いきなり・・」
「いいからwwwいけよww」
「もしもし?」とてつもなく緊張した。
『え・・もしかして、俺君?』
久しぶりに聞いた有紀子の声。
それだけで本当に泣きそうになった。
感極まってもう何を話していいかわからない。無言でテレカの残度数だけが一つ減る。
「あの・・」
『うん。何?』
「まっててくれる?」
どう言っていいかわからなかった。やっちまった。
そう思った。あんな事になった後だったから。
『わかった。それじゃあね』
そういって電話が切れた。
しばらく受話器もってぼーっとしてた。
「ちょwwおまえwどうしたww有紀子なんてwww振られた?ww慰めてやろうかwww」
ぶー子の声でハッとする。
「いや、わかった。って」
ぶー子が突然腹を抱えて笑いだす。
「ぶひっひwwそれwwまじでwww」
笑いすぎ。笑う豚をおいて家に帰りじっくり考えた。どうすればいいか。
前回は無計画の上で駆け落ち等と無謀な事をして失敗した。
嫌というほど屈辱を味わった。
何より、今度同じ事になればおそらくもう二度と有紀子には会えない。
けれど、このままでは有紀子は太一(40)と虎舞竜にされてしまう。
考えた挙句、思いついたのは、そうだ。太一消そう。
ぶー子は谷亮子を柳原加奈子の体型にして鼻を上ムキにしたら近いイメージ。
しかし。すぐにそれじゃ駄目だと思いなおした。
それをしても結局また新たな相手を用意されたら同じだと。
結局名案というのは思いつかない。
翌日。学校にいくと女子グループがニヤニヤしながら僕を見てくる。
まさか・・・と思いぶー子に目をやると、とぼけた様に舌をペロッとだし
「メンゴww」とか言いやがった。
電話の後、屠刹場へ送り込まなかったのは一生の不覚。
その後は女子に事あるごとに質問攻め。
ホントにおかしくなりそうになりながら一日を過ごした。
問題は放課後の事。詳しく話を聞かせろと女子グループに連行される羽目に。
その様子をみて高笑いするぶー子。刹意わくね。
強制連行後。洗いざらい経緯を話すと女子全員が応援してくれる事になった。
中には泣いて協力を申し出てくれる子もいた。
議題はどうやって太一を葬り有紀子を取り戻すかにシフト。
感想;女子の方が発想がエグイ。
「こうなると判ってたからwwww」
ぶー子が寄ってくる。完全に後付けだろ。
だが、今まで周りに味方が居なかった中味方してくれる人が出来たのは嬉しかった。
そんな訳でぶー子のアシスト的なもののお陰で僕に味方が出来た。
中でも、女子グループのリーダー格だった彩香は泣きながら共感してくれて
「私に出来ることは何でも言ってね!」と、申し出てくれた。
「ぶひw私のお陰だろww感謝しろよww
 あ、でも惚れるなよww私には心に決めた人がいるからwww」
ぶー子。こいつはやはりここで始末しておくべきか本気で悩んだ。
さて、時期は12月。この時期、受験生は最後の追い込み期間である。
だが、一部の進学校を受ける生徒を除き、殆どが地元の高校に行く為
実質、そこまで必タヒに受験勉強をしている生徒は少なかった。
(高校はよっぽどがない限り、地元中学生は落ちない)
ある日、数学の自習時間。彩香がある提案をしてきた。
「ねえ。有紀子とクリスマスにデートしない?」
「え?え?」
突然の提案を全く理解できない。
「だから。クリスマスに有紀子とデート。したいでしょ?」
それはもちろんだが、有紀子は今親戚の家に預けられている。
ここから行くには日帰りでは無理な距離だ。
「無理だよ。遠いし」
そういうと、彩香がにっこり笑う。
「馬鹿ね。冬休みだから実家に帰ってくるでしょ?そこで誘えばいいじゃないw」
言われてみれば確かに。年末年始は実家で過ごすはずだ。
冬休みの期間は有紀子は家に帰ってくる。
「・・・でもやっぱり無理だ」
そう。僕は彼女に会う事を禁止されている。村では僕は誘拐犯という事になっている。
今でこそ誤解だったと周囲はほとんど普通に接してくれているが
当時はまるでゴミをみる目で見られたものだ。
だが、有紀子の家の人間は今でも僕を誘拐犯だと言っている。
会いに行けるはずがない。少しの期待感が一気に薄れる。
「鈍いわね~私たちが有紀子誘って連れ出すからって言ってるの。ね?」
彩香がにこりと微笑みかけてきた。この瞬間僕は神様はいると思った。
「ぶひww私も協力するんだから飯奢れよwww」
ぶー子が鼻をブヒブヒ鳴らしながらいう。この瞬間悪魔もいると思った
ここからの彼女らの動きは速かった。
放課後、有紀子に連絡を取ると、作戦概要を伝える。
その後、週末に僕の村まで来て
有紀子の実家にクリスマスパーティの案内を持っていき
許可をもらってくるという素晴らしい働きをしてくれた。
「感謝してよね~w」
彩香様。もちろんです。有紀子いなかったら惚れてまうやろ。
「ぶひwwwチャーシューメン大盛りなww」共食いか。
後は僕がクリスマスに外出許可をもらえば完璧だった。が、思わぬ事態に。
母「外出は許さない。クリスマスに一人で?なんで?」
「男友達とパーティ?クリスマスに?」
と滅多打ちに会い、理由なき外出は禁止と言われた。
以前のジ件のせいで自分の外出は特に厳しく監視されていたのを忘れていた。
困り果てて彩香にその旨を打ち明ける。
「なんだ。理由があればいいんじゃん。私に任せて」と言うと、週末に我が家へ。
「私、今お付き合いさせて頂いてる彩香と申します。
 実は家のクリスマスパーティに是非彼を呼びたくて」と母にいった。
「話を合わせてね」と言われていたが、さすがにビビった。
「そ、そうなんだ。恥ずかしくて言えなかったんだけどw」
無理やり合わせる。
すると母は呆気にとられたように「そ、そういう事ならいいわ」と外出許可を出した。
しかし、ここで一抹の不安が残る。彩香の家に電話掛けられたらどうしよう。
という事だ。流石にまずい。
この事を伝えると「あw大丈夫wwうちのママもおねーちゃんも味方だからww」本気で泣いた。
さて、後は当日待つのみとなった。
毎日、早くクリスマスが来ないかとそわそわしていた。
家でもやけにテンションが高く不審がられたが
彼女が出来たからという理由で納得してもらえた。
そして当日。街に出かけ彩香らに指定された場所で待つ。
約束の時間は午後2時。時間が近づくと緊張してお腹が痛くなってる。
2時になった。だが有紀子は来ない。
「まさかバレた?」
まだ5分も過ぎてないのに焦り出す。
その時「僕君?」とても懐かしい声を聞いた。
そこには、1年ぶりに会う有紀子がいた。
白基調のふわりとした服に身を包んだ有紀子は1年前よりも大人っぽくなっていた。
やばい。カワイイ・・・僕の当時の心境はRECの3文字でした
「久しぶり。。えと、服変かな?」
どうやらあまりにもジロジロ見過ぎたらしい。
「いや・・・全然。かわいいよ」
顔が真っ赤になるのを自分で感じながら言う。
「ありがと」
そういうと有紀子が微笑む。いや、この時ホントにもうタヒんでもいいと思いました。
ふと、彼女の背後に視線を送ると彩香のグループがVサインをしてるのが見えた。
ちょっと感極まって泣きそうになる。
ぶー子がこっちの様子を見て、指をさして笑っている。イラッとした。
「じゃあ、行こうか」そういうと僕は歩きだした。
「うんw」
有紀子は返事をすると、腕を組んできた。
一気に緊張で胸の鼓動が速くなる。
いくらなんでも積極的過ぎじゃね?とか思いつつもふと気がついた。
有紀子の胸が大きくなってる事に。
思春期真っ盛りの僕にはこんな状況に耐性いので思考は一気にそっち方面への期待MAXに。
そんなもんで、色々話したい事があったのに何も上手く話せず
とりあえず、喫茶店に入ることに。
向かい合って座ると、少し落ち着きを取り戻した。色んな意味で
そこで、今までの話を色々聞いた。
あのジ件のあと。彼女の祖母がカンカンに怒っていた事。
同じ村にいればまた繰り返すからと遠い親戚の家に行くことになった事。
高校も、向こうで卒業するまでは帰ってこれないという事。
そして「高校卒業したら、籍入れて結婚させられるの」
状況は最悪だった。実際は色んな話が来ていたらしい。
40にもなった太一でなく、余所から良い所の婿を迎え入れようとか養子で嫡男を取ろうとか
好き合っているなら僕でもいいだろうとか。
だが結局は有紀子の婆さんの一声で決まってしまったらしい。
それから喫茶店を出るまでは重い沈黙だった。
喫茶店を出ると有紀子がふと息を吐き僕を見つめる。
「せっかくなんだから。今日は楽しもうw」
そう、せっかくのクリスマスデートだ。僕はさっきの話は少し忘れることにした。
それからは普通にデートを楽しんだ。
ゲームセンターに行き、2人ではしゃぎ回る。
有紀子の欲しがったぬいぐるみのを取るのに1,000円ほど使ってしまった。
僕の人生初めてのカラオケに行く。
上手く歌えず「へたくそ~w」と有紀子にからかわれる。
カラオケBOXを出ると時刻は7時を回っていた。
もう時間がない。有紀子の門限は9時。
楽しい時間は本当にあっという間に過ぎてしまった。
会っていた事を悟られないように、電車は時間をずらさなければならない。
「一緒に帰れたらいいのにね」
有紀子が悲しそうにつぶやく。自分の無力感がどうしようもなく憎い。
駅のホームで電車を待つ。僕は有紀子に聞いておかなければいけない事があった。
「まだ、3年ある。卒業まで」
有紀子が「うん」と頷く。
「必ず、何とかするから。その時は一緒にいてくれる?」
どう言っていいか判らなくなりなんとも曖昧な言い方になってしまった。慌てて付け足す。
「僕も大人になるから。今度こそ。だからまだ3年間好きでいてくれますか」
・・・恥ずかしすぎる意味不明のセリフを吐いてしまった。
もう何を言ってるか自分でも判らなくなり頭が真っ白になって視線が宙を泳いでいた。
有紀子の返事は無い。顔を見るのも怖かった。
電車の時刻が近づく。その時。
「私は、好きだよ。ずっと。これからも。だから待ってるから」
そういうと、有紀子の顔がぐっと近づいてきた。
初めてのキスは全く覚えてません。
天国の曾爺ちゃんに会った気がしました。
電車がきて有紀子が乗り込む。
ハッと思いだし、ポケットからプレゼントを渡した。
彩香から「ロマンチックな場面で渡せw」と選ぶのを手伝ってもらったプレゼント。
「ありがとw大事にするね」
そういうと、いっぱいの笑顔を残して彼女は帰っていった。
1時間後。次の電車に乗り帰宅する。
家に帰りつき、母の冷やかしを軽くあしらう部屋にもどる。
1日の出来事を思い出し、久しぶりに幸せな気分でいっぱいになった。
正月が明け、新学期。
早速、クリスマスデートの結果を聞きに女子グループが集まってきた。
「キスしたかキスwww」
ぶー子がおちょくりながら口を突き出す。
こいつ逆立ちでもしてるんじゃないかと思うほどキタネェ・・・
「協力したんだからしっかり結果聞かせなさいw」
彩香がニヤニヤしながらつついてくる。結局洗いざらい話す羽目に。
「キャー」とか「うわww痛いww」とか散々からかわれた。
この時、ある事に気付いた。
・・・冬休みより、この話知ってる女子増えてる。
犯人は「ぶひwサーセンww」やはり貴様か。
「まじで、地元に知られると困るから変に広げるな」とぶー子に注意する。
「大丈夫ww私、人を見る目はあるからww」そういう問題じゃねぇ
だが、話をきいた人たちは皆僕に協力すると言ってきた。これはやはり嬉しい事である。
あと3年。その時間で何ができるか判らない。
けど、とことんやってやろうと思った。
まずは有紀子の両親の説得からだ。
しかし、これは実行できなかった。何故なら僕は彼らにとって娘をたぶらかした犯人。
やすやすと連絡どころか会ってすら貰えない。
となると、次はやはり太一抹○計画である。
だが「常識的にむりでしょ?」との冷静なぶー子の突っ込みにより計画頓挫。
というか、お前が常識語るな
結局、妙案は思いつかないまま中学を卒業することになった。
僕、彩香、ぶー子を含めたメンバーは地元の高校へ。
一部女子グループは都会の進学校へ有紀子は全寮制の高校へそれぞれ進学した。
高校に進学してからも相変わらず。
どうすれば有紀子と一緒になれるかを考えていた。
彩香も積極的に協力してくれ、有紀子とは会えないが電話で連絡を取れるようになっていた。
(有紀子の学校の寮に掛け、彩香が取り次いでくれた)
必然と彩香といる時間が長くなった。この事がとんでもない問題を引き起こすことに。
事の発端は夏休み。
夏休みの1週間だけ有紀子が地元に帰るとのことで早速、彩香の協力のもとデートセッティング。
夏のデートはどこに行くかを相談に乗ってもらっていたある日。
クラスのDQN、将太に呼び出された。
「お前、調子のってんじゃねーぞ」
いきなり意味不明な事を言われ殴られた。
「わかったら調子乗った態度とるなよ」
全く理解できない。
そのジ件から2週間後。デート当日。
有紀子と待ち合わせをして夏らしくプールへ。
あの時の感動は今でも忘れません。地球に生まれてよかった。
たっぷりと堪 デートを満喫しまた会う事を約束し帰宅。
夏休みはこの思い出だけで過ごせた。もうそれはそれは。
問題は新学期に入ってからの事。
将太に再び呼び出される。
「お前、俺の警告判んなかったみたいだな」
そういうといきなりナグる蹴る。
意味もわからずにいると将太が突然激昂し「彩香と二股掛けやがっ!!」
突然の意味不明発言に「???????」状態
「何の事・・」
「うるせぇ!」
意味もわからずボコボコにされる僕。反撃しようにも体格差もあり一方的に殴られる。
「てめぇ、これに来れたらふざけた真似スンナよ!」
ああ、ヤキモチ焼いてるのか。
次の日、学校に行くと彩香が真っ先に僕の所に来た。何故なら顔に痣が出来ていたから。
目をキラキラさせながら「なに!?もしかして有紀子の親と殴り合い?」とか期待してたようだが
「いや、違うよ」
理由を言おうとしたが、将太が睨みつけてくるのが見え「何でもないよ」と席に座った。
それから数日は彩香と話していると将太の視線が刺さるように痛く
彩香を避けるような形になってしまっていた。
そんな態度が数日続いた時「ねぇ!なんで避けてるの?」と彩香が怒り出した。
「そんなわけじゃ・・」理由は話すべきか悩んでいると
「ぶひww理由はアイツでしょwwwフヒww」とぶー子が割って入ってきた。
「え?誰?」彩香が聞き返す。
「www将太wwwあんたに気があるからこいつが気に食わないってwwwボコってたwww」
・・・見てたなら助けろ。
「そんなしょうもない事で」
こうして純愛DQN将太。彩香にばれる。
三日後、朝教室に入ると同時に将太に「ちょっと面かせ」と引っ張られた。
「ああ、ばらしたのでやられるのか」と覚悟していたが将太。突然の土下座。
「すまん!完全に俺の勘違いだった!許してくれ!」と言われた。
さらに「話は全部聞いた。俺感動したんだ!俺にも出来る事あったら協力するぜ!」と言ってきた。
こうして、初めて男の協力者将太が出来た。
コイツには本当に色々助けられることになる。
そして、彩香の提案で、有紀子と一緒になる為にはどうすればいいかの話し合いが持たれた。
高校卒業までこのままのんびりしてはいけない。
そろそろ、具体的な手段を考えなくては
中学の時の女子グループに将太を加えて両親を2人で説得するとか
現れる許嫁を片っ端から消すとか既成事実を作るなどのエグイ話までが出された。
そんな中将太がふと思いついたようにいう
「なぁ。思ったんだけどよ。駆け落ちすりゃいんじゃね?」
場が一斉にシーンとなった。その後「はぁ?あんた馬鹿ぁ?」だの
「頭悪そうな顔して頭悪い意見言わないで!」など女子にフルボッコにされる。
それもそうだ。何故なら、それは一度失敗している。
「いや、前回の失敗踏まえてしっかり準備しろって事だよ。高校卒業すりゃ、大人だぜ?」
「それに今から準備していきゃいいじゃねぇ?」
将太の提案にハッとした。
そうだ。卒業したら僕も大人だ。昔とは違う。働いて稼ぐこともできるはず!
「そうだよ!それいいじゃん!」
彩香もパッと顔をあげて笑顔になる。
すると、今まで将太に罵声を浴びせてた女子も
「あんたナイスアイデア!馬鹿は馬鹿なりに考えてるんだね!」と将太をほめたたえた。
そうなると計画の作成は早かった。
まずは目標資金は前回の反省を踏まえて出来るだけ多く。
可能なら200万はためる事。
「高校生で200万はきついよ」と言うと、全員がそれぞれ募金すると言いだした。
次は目的地、これは出来るだけ遠くへ。どこか住みやすく、働き口のある所。
これは後々考えることにして当面の目的は資金集めになった。
それから僕はバイト探しに必タヒになった。
だが、当時僕らの高校はアルバイト禁止であり、教師が各所巡回しており
バレないでバイトをするのも厳しいものがあった。
バイト探しに若干行き詰まり掛けた時の事。
「ぶひひww良いバイト有るけどwwどうよwww時給千円のバイトwww」ぶー子だ。
「何?食肉加工場とか?確かに時給良さそうだけど、あそこ前先輩が見つかってんじゃん」
「ぶふwwちげぇよww私のおじさんの所だから見つかる心配無い所www」
その話、なんとも僕の理想の条件じゃないか!
よくやった。トリュフを見つけてくるとは。貴様今度からイベリ子と呼んでやろう。
イベリ子に紹介してもらったバイトは工場の荷物の仕分け作業だった。これがとんでもなくキツイ。
当時高校生の僕は箱一つ抱えるのにも四苦八苦していた。
箱が一つ20キロとかである。家に帰る頃にはへとへとになっていた。
因みに家族には欲しいものできたからバイト始めると許可をもらっている。
バイトは確かにきつかったが、卒業までに200万
有紀子との為にと思えばやっていけた。
この頃無駄づかいを控え、コツコツためていった。
そして冬休み。またしても彩香らのアシストを受け有紀子と会えることに。
ところが、今回は直前になり会えないという事に。
何でも「実家から両親が出てきて年末になったら帰るって・・・」不穏な空気が流れ始めた。
この事態を受けての見解は「会っていた事がバレた可能性ある」
最悪の事態だ。このままでは計画が露見しかねない。僕は非常に焦っていた。
そんな時「ふふwww私にwwお任せwww」
イベリ子。動く。そして、年明け。新年早々偵察豚から連絡
「ぶひゅwwwなんかwwwばれては無いらしいwww
 クリスマスを久しぶりに親子水入らずで過ごしたかったらしいwwwワロスうぇえwww」
イベリ子からの連絡で一安心。
「あwwwでもwww母親は疑ってたwwwかもwww」まずい。
イベリ子いわく、正月の初詣行こうと有紀子誘いに行く、家に行くと両親が出てくる。
有紀子に「クリスマスパーティー突然どうしたの?」と聞くと
有紀子父「いやぁすまんね。去年いなかったからさみしくなって来年はまた誘ってやってくれ」との事。
「それじゃ、有紀子。初詣いこw」と出て行こうとした瞬間。
有紀子母「今日は2人だけなの?」
どうも母親が何か察したような感じだった。との事
彩香に意見を求める。
「あ~まずいかもね。母親は敏感だから」
どうやら、母親というものは子供の変化に非常に敏感らしい。
去年のクリスマス、そして夏休みで何か感じ取られた可能性ある。
「wwwならしばらく連絡だけにすればいいwww」
このイベリ子。その連絡すらいま中継はさんでる状況じゃないか。
そういうと「wwwおまwww携帯位買えよwww」・・・その手が有ったか!
当時携帯電話今ほど高校生には浸透してはいなかった。
そもそも、僕の村は電波入らないから不要の産物しか思って無かった。
しかし。イベリ子の提案で携帯が僕の中の最重要アイテムになる。
問題は有紀子が携帯を持っているかどうか。
イベリ子「バ力スwwwそれぐらいこの間チェックしてるはwwwクリスマスに買ってもらってたwww」
「それとwwwほらwwwメルアドと番号www渡しといてってwwwうぇwww」
イベリ子・・・お前、卒業後プリマハムへ推薦してやるよ。
さて、携帯を購入することは決定事項。
資金はバイトしてためたお金があるから何とかなる。
しかし、携帯ショップで唖然とする。
・・・高ぇ・・・月々の料金も・・・予想外です。
まぁ、携帯料金くらい毎月もっと切り詰めればいける。という事で携帯購入。
すでに携帯を持っていた彩香に教えてもらいながら初めて有紀子にメールを打つ。
「僕です。メールしましょう」
なんか、怪しいマッチング系のスパムメールみたいになった返事はすぐに来た
「携帯買ったの?うれしい!これでいつでも話せるね!」
携帯持って一人でニヤニヤしてたので相当気持ち悪かったと思う。
で、調子にのって色々メール送ってたら「あんまりするとお金大変だよ?」と返されハッとする。
そうだ。こんなところで消費してる場合じゃない。
そして大体週に一回で僕たちは連絡を取り合ってた。
そうして、高二の夏休み。有紀子が帰ってくるというので、今度こそ会おう!という話になった。
「夏祭りに行きたい」という有紀子の希望で今回のデート場所が決まった。
彩香とイベリ子に協力を依頼する。が、ここで一つ問題が。
「でも、このあたりの祭りだと誰かに見られる可能性あるよ」
そうだった。僕らは村の人間に見つかる事だけは避けなくてはならない。
ここの夏祭りは僕の村からも見に来る。諦めるしかないか。と思った時。
「だったら、○○の花火大会行けばよくね?」将太が提案する。
○○の花火大会と言えば、この地区の祭りと同日にある祭りだ。
ただ規模は小さいのでこの地区からそちらに行く人はほとんどいない。
「でもどうやって行くのよ?」彩香が突っ込む。
確かにそこに行くには車かバスしかない。しかもバスは本数が少ないのが欠点だ。
「問題ねぇよ。俺が兄貴に頼んでやるから」
どうやら、当日将太の兄がその花火大会にいくから乗せて行ってくれるように交渉してくれるらしい。
これは嬉しい提案だった。
「ただ、俺だけ一人で行くのも・・・なw」将太。便乗する。
将太のお陰で夏祭りデートが確定し、その日を迎えることになった。
当日待ち合わせ場所で将太の兄に挨拶。
かなりイカツイ風貌だったが「将太から話は聞いた。俺に任せろ!」と彼女と一緒に歓迎してくれた。
そうこうしてる所に有紀子がやってきた。
浴衣を着ている。やっぱりかわいい。
もう、ちょっと照れくさそうにしている仕草がたまらない。
「おいwかわいい子じゃねぇかw」
バンバンと将太の兄に背中をたたかれる。
一方の将太は、有紀子の隣の人物を見て唖然としてた。
「マジかよ・・・」
「ぶふww彩香wwwじゃなくてwwwサーセンwww彩香友達と約束あるってさwwww」
まさかのイベリ子。その姿。まさに力士。将太。かわいそうな子。。
将太が泣きそうな顔で僕を見る。やめてくれ。そんなチワワみたいな目で見るな・・・
というか、将太兄&彼女。お腹抱えて笑ってるし。
そうして、将太兄の運転で花火大会会場へ。
ここからはそれぞれ自由に回って花火が終わったら集合し帰宅。という流れになった。
将太はイベリ子に引きずられるように屋台群へ消えていく。僕は有紀子とある場所へ。
イベリ子いわく「花火がメチャクチャきれいに見える最高のスポットがあるww」との事。
こ奴。トリュフ見つける事に関してはやはり天才か。
屋台で綿菓子やたこ焼きをかってその場所へ。
ちょっとした高台のような場所で確かに花火はよく見えそうだ。
しかし。暗闇の中に無数の人の気配が。
どうやら、この場所はそこそこ有名の様で沢山のカップルがいちゃついていた。
「場所・・変えよっか」
ちょっと気まずい思いで有紀子に聞いてみた。
「ううん。ここでいいw嫌?」
嫌な訳がない。地面に座って花火の開始を待つ。
「ありがとう。私すごくしあわせかもw」
そう言って寄りかかってくる有紀子がもうかわいくてしゃーない。
と、その時ドン!と目の前で花火がはじけた。
イベリ子の言うように確かに最高の風景だった。
何よりもこれを有紀子と一緒に見ているという事が何よりもうれしい。
一つ一つの花火が上がるごとに嬉しそうに有紀子が歓声を上げる。
花火が終り、一瞬シンとなる。
「あ~綺麗だったwさ、いこ。待たせたらいけないし」
そう言って有紀子が立ち上がる。この時。僕のはもうこの場で言うしかないと思った。
「有紀子。僕と一緒にずっと居てほしい。この気持ちは昔から変わらない」
「だから、高校を卒業したら僕と一緒になってほしい」
たどたどしく、噛みながらもこう伝えた。
その間、有紀子は視線をそらさず、じっと僕の目を見ていた。
そして「うん。。ありがとう。すごくうれしい。私もずっと変わらないよ。だから。」
こうして僕らは高校卒業後の駆け落ちを約束した。
2人で集合場所に戻るとすでに将太たちは戻っていた。
「すみません。遅くなって」というと
将太兄はニヤニヤしながら「上手くいったんだろw」と言ってきた。
とりあえず「はいw」と答えた。
将太・・・返事がない。ただの屍のようだ。
イベリ子はイカ焼きを頬張りフガフガ言ってる。
目の焦点の合って無い将太と幸せで浮き上がりそうな僕らは帰路に就いた。
それから夏休みの残りはほぼバイトに明け暮れた。
卒業までに資金を稼ぐ。もう目標はそれだけ。
夏祭りでの約束は今まで応援してくれた誰もが祝福してくれた。
高二の冬には貯金は60万程貯まった。だが、まだまだ足りない。
最低でも200万を目標にしている僕にとって目標は果てしなく遠くに見えた。
しかし、バイトを増やすというのも当時厳しいものがあった。
何故なら、バイトを始めた当初「欲しいものがある」と親に許可をもらったが
若干その理由に納得してない節が見られたからだ。
「何が欲しかったの?」と言われ、その時は咄嗟に買ったばかりの携帯を見せた。
「買ったならもうバイトしなくていいんじゃない?」
という質問には毎月の料金がいるから。と答えていたが、
それでも僕がお金をためている事に気付き始めたようで
これ以上バイトを増やそうものならもう言い逃れもできない。
ともかく、貯められるだけ貯めよう。この当時ひたすら考えていた事だ。
さて、ある時僕は村で会ってはならない人物と遭遇する。
有紀子の許嫁になっている太一(40)だ
普段引きこもりで、めったに姿を見せない奴が何故か外に出ている。しかもスーツなど着て。
薄くなった頭と鏡餅の様な体を揺らしながら有紀子の実家へと入っていった。
この時、遊びに来ていた将太が「なんだあのおっさんw」と言わなければ気付かなかっただろう。
なぜ奴がこんな昼間から外にいるのか気になり後を付けると有紀子の実家に入って行く奴の姿が。
もしや、予定が早まったのか!という言い知れぬ不安に襲われた。
どうやら、その姿をみた僕はとてつもなく青い顔をしていたらしい。
将太が心配し、覗き込んできた。
「おい!大丈夫か?アイツ誰なんだ?」
僕は将太に奴が今の有紀子の許嫁である事を伝えた。
「冗談だろ?あんな禿げダルマが??」
それよりも僕にとっては奴があんな恰好であそこに入って行った事が大問題だった。
「よし。じゃあ俺が偵察してきてやるよ」
そういうと将太は止めるのも聞かず屋敷に入っていった。
見つかればタダじゃ済まない。下手したら僕の計画もばれてしまう。
でも奴の真意も聞きたい。不安で気分が悪くなりながら将太の帰りを待った。
30分程して将太が無事に戻ってきた。
「なんか、あいつがあの家に入る云々の話みたいだったぜ。
 どうも奴と有紀子ちゃんの婚姻の日程が3月20日前後だとか」
どうやら、卒業後の予定の話だったらしい。
1年も先の話を今からするのはどうも本決まりのようだ。
「つうかあのおっさんやばいぜ。有紀子ちゃんの話が出るたびに明らかにニヤケてた」
ゾッとした。絶対あの野郎に有紀子は渡せない。
しかし、ふと気になった。将太はどこからそれを盗み聞きしたのか。
「ん?空き部屋から屋根裏潜って。俺んち大工だからさww」忍者かお前は。
そうこう話してると太一(40)が屋敷からでてきた。
話は終わったらしい。心なしか足取りが軽そうだ。
こちらへ向かってくる目を伏せ気味にすれ違おうとした。
その瞬間「有紀子ぉ」とつぶやくのが聞こえた。
パッと見ると嬉しそうに笑ってる。
この時。今までに無い刹意が沸いてきた。
思わず、飛びかかろうとして将太に抑えられる。
「やめろ。ここでそんなんしても意味無いだろ!」
そうだ、意味はない。僕にはやらなくちゃいけない事がある。
絶対奴に有紀子は渡さない。
「そうだ。お前は手を出しちゃダメだ」
将太になだめられ冷静になった。
そのジ件後、有紀子の家に向かっていた太一(40)が足を踏み外し?
真冬の川に転落する事故が起きるのはまた別の話。
そして、僕らは高三になった。駆け落ちの約束のリミットまであと1年。
この一年で何としても目標金額まで貯める。
クラスメイトは進学・就職ムードへ一直線だった。
彩香も大学受験で忙しくなっていたが、勉強の合間に協力を続けてくれた
将太は「俺は親父の会社はいるからw」とマイペースだった。
イベリ子は・・・・・豚だった。
そして運命の転機が訪れる。僕の高校は修学旅行が三年の春先にあった。
行先は九州。九州各県を回る四泊五日の修学旅行。
その二日目の自由行動の日
将太に「今日俺と一緒に回ろうぜw」と誘われた。
もちろん断る理由などなかった。
僕は将太に連れられて市街地を歩く。
・・・どこにも観光出来そうな場所や買い物出来そうな場所はない。
どこに行くのだろうと思っていた時。何かの事務所みたいな所にたどり着いた。
「えーっとここだw間違いないw」
そういうと将太は躊躇わずにビルに入って行く。僕は慌てて追いかけた。
将太が受付?の様な所で人に話しかけている。
ここは何なんだろう・・と考えていると
「こちらへどうぞ」と待合室の様な所に通された。
しばらく待っているとスーツを着た中年のおじさんが入ってきた。
「将太!よく来たな!」
そういうとその人は将太をギュッと抱く
「おじさん!久しぶりw」
どうやらこの人は将太の伯父らしい。名を 中村 さんと言った。
「まぁ、座りなさい」
そういうと僕らをソファに促し腰をおろした。
「それで、電話で言ってた頼みとは何かな?」
どうやら将太は最初から伯父の中村さんに会いにここに来たらしい。
「修学旅行の小遣いでも貰いに来たか?はっはw」
中村さんが笑ったが、将太が一気に真面目な顔になった。
「伯父さん。お願いって言うのは、今日一緒に来たコイツの事なんだ」
「伯父さん、卒業したら、こいつをココで働かせてやってくれないか?」
突然の事で僕は意味もわからずポカンとしていた。
「それは、何故かね?」
中村さんが将太と僕を交互にみる
「いや、働くかどうかはコイツ次第なんだけど、
 俺はコイツの力になってやりたいんだ。どうしても」
「だから、こんなことしか思いつかなくてさ」
将太の考えがわかった。その瞬間涙が出てきた。
「甥っ子の頼みだ。私は構わないが何か理由がありそうだが?」
僕は事の一部始終を話す事にした。
中村さんは静かに僕の話を聞いてその後、小さく頷き
「もしも君がその気なら私は君を歓迎するよ」と言ってくれた。
「ただし、覚悟してきなさい。世の中は上手く渡れるようには出来ていない」とも。
「もしも、その時が来たらまた私を訪ねてきなさい」
そういうと「頑張れ!」と僕の手を握った。
この時、僕は涙と鼻水でとてもひどい顔をしていた。
帰り際に受付のひとの不思議そうな顔で僕を見ていた。
これが僕の運命の天機だった。
この出会いによって、僕と有紀子の駆け落ち先というものが決まった。
最大のネックだと思っていた仕事が見つかっているのは非常に心強い。
後は作戦を成功させるだけだ。僕は将太に何度もお礼を言った
けどそのたびに照れくさそうに笑いながら「いいんだよw友達だろw」といって恥ずかしそうにする。
そしてその年の夏。再び有紀子の帰省に合わせて会う計画をたてる。
今回はこれまでに決まった事を会わせて有紀子と最後の打ち合わせだ。
だが、更に問題が発生する。
帰省した有紀子に太一(40)とデートしろとの婆から命令がでた。
しかも、その日は会う約束の日。非常にまずい。
しかもあのは腐った鏡餅とデート?ふざけるな。
当日が近づくにつれ打開策もないまま焦りはピークを迎えた。
どうしようもなくイライラし、何かに当たる事が多くなっていた。
将太や彩香もなにか良い方法が無いかと
仲間と話し合ってくれていたが良い案は出なかった。
そんな時。
「ぶふふっwww良い案www思いついたんですけどwww」
イベリ子が鼻息を荒げる
「ぶひww太一をデートに行かないようにすればいいっていうwwww」
こいつ。とうとう口蹄疫でも罹ったか刹処分だな。
「ぶwww太一を足止めしてwwwデートに間に合わないようにすればwwwいいww」
イベリ子が輝きだした。
「ぶひっひwww太一車持ってないwwwから移動手段バスwww
 それに乗り遅れたらwww次のバスまで一時間はあるwwwもう無理ww」
豚足なアイデアだが良いかもしれない。
だが、問題は有紀子をどうするか。
一緒にバスに乗ってきたらどうしようもないじゃないか。
「ふぉふぉwww有紀子はww午前中は私らと買い物www
 午後からデートにしてもらうwww完璧ww私孔明www」
孔明というか小梅の様な見た目だが良いアイデアだ。
このイベリ子案を採用することにした。
早速、有紀子に連絡をし午前中は彩香たちとショッピングで
午後から太一デートの流れに変更して貰った。
元々、今回は4日しか帰省できない予定だった為、
「友達とも会いたいだろう」と許可が下りた様子。
また怪しまれないよう、当日僕は午前中は村に居て
出来るだけ多くの村人に会うような形を取り
その後将太のアシストで街に向かうという完璧なアリバイ計画を立てることになった。
因みにここまでがイベリ子の計画。
そして、当日。
僕は朝から起き、村中をぐるぐる回りながら川で釣りのフリをしていた。
この間すれ違った村人と細かく挨拶をする。
その時、犬の散歩をしていた有紀子の母親とすれちがった。
「あ、おはようございます」
あのジ件以来、ほぼ顔を合わす事が無かったので気まずい。
「あら、おはよう。今日はどこにも出かけないの?」
「はい。一日のんびり釣りでもしようかとw」
じっと観察されているような気分だったが
「そう。気をつけてね」と言うと去ってしまった。
正直、生きた心地がしなかった。
おそらく、午前中の時間は有紀子と会っていると疑っていたんじゃないかと思う。
そうこうしてると、村のバス停に向かう塊が見えた。
太一(40)だ。このクソ暑いのにスーツを着てフウフウいいながら歩いている。
汗をだらだら流し、すでに腋まわりと股ぐらがビショビショだった。
「間違ってもあんな奴を有紀子に近づけれるか!」
今すぐ飛び出して行きたい気持ちを抑えて様子を窺う。
すると太一の反対側から歩いてくる集団がみえた。
彩香の友達の女子グループ(中学の時から応援してくれてる子たち)とイベリ子だ。
それぞれが着飾り、華やかな集団だ。
彼女らが、イベリ子のいっていた足止め要員。
彼女らは太一を見つけると駆け寄って行って太一を囲んだ。
「あのぉ~すみません~○○ってどこにあるんですかぁ~」
○○とは村の唯一の観光スポットの様なものだが
バス停から離れており、そもそも訪れる人などほとんどいない。
「私たちぃ~大学のサークルで調べに来たんですけどぉ~」
と言いながら太一に話しかけている
「え・・・えっと○○はそこの角をまがって・・」
太一どもりながら案内すると「え~わかんない~」と一斉コール
「ねぇ、連れてってくれませんかぁ?」
迫る彼女らを前にして太一の発汗量が半端なく上がっているのが見えた。
「で・・でも俺・・この後よ・・用事が・・」
太一は逃げ出した。しかし回りこまれてしまった。
「え~お兄さん。案内してくださいよ~」
女は怖い。あんな演技ができるのか・・・
「ぶふwwいいじゃないですかwww美女に囲まれてしあわせですぞwww」
お前は変わらんか。そうこうしている内にバスがバス停を通り過ぎるのが見えた。
「良し!良し!」
太一(40)の顔がみるみる青くなっていく。完全勝利の瞬間だった。
バスが行くのを確認して彼女らも太一から離れる。
「もういいです。自分たちで行きますから~」
「え・・いや・・案内・・」
「結構です」
豹変した彼女らは座り込んだ太一を残して去って行った。
イベリ子はなぜか太一の写真を撮ってた。それを確認し僕は次の行動に移る。
村の境で待機していた将太のバイクの後ろに乗り込んだ。
「上手くいった?」
「おう」
「じゃ、おとされんなよw」
そうして僕は有紀子の元へと向かった。予定通りに待ち合わせ場所に到着。
有紀子はすでに来ており、彩香と談笑しながら待っていた。
今回は時間が無い。太一は足止めしたが、相手が来ないのに何時間も居るのは不自然。
寄って時間は2時間でその後、有紀子は帰宅するという事に。
イベリ子の作戦で唯一納得できなかったところだが慎重に事を進めることにした。
近くの喫茶店に入る。僕は全ての計画を打ち明けた。
駆け落ちの行先は九州。そこで将太のお陰で働き先の目途も付いた事。
資金も少しずつ貯まっている事。
決行は3月18日(有紀子が親戚の所から引き揚げてくる日)にしようと思う事。
話し終わると有紀子は涙を浮かべて笑っていた
「私。すごく幸せ。どんな風になっても構わない」
そして有紀子を見送る。もう決行の準備はすべて整った。
12月。この頃の貯金は140万程。
目標金額には届かなかったがこれだけあれば何とかなるだろう。
今年の冬のクリスマスは有紀子は実家で過ごしている。
おそらく家族にはとてつもない迷惑がかかるだろう。
でも、ごめんなさい僕はどうしても彼女と一緒にいたい。
最後のクリスマスを家族と過ごした。
三月に入る。決行までもう二週間。
そんな時、前祝いとして今まで応援してくれた皆が集まってくれた。
他県の高校に行った子たちも戻ってきて。何人も泣いてくれた。
「ずっと応援してるから」
「有紀子泣かせるなよ」とか
僕は本当に救われたんだと痛感しました。
「ぶひゅwww愛のww逃避行www第二幕www」
このイベリ子はやはり最後にローストしていくべきか。
会の最後に彩香から手渡された封筒の中には20万近い大金。
「こ、こんなの受け取れん!」
「いいよw結婚のご祝儀でしょw少ない位よw」
皆がそれぞれ、少しずつ出し合ってくれたらしい。
「それに、一番多く出したの将太だしw」
将太はここ数カ月、バイトをして稼いだお金をカンパしてくれたらしい。
「俺、お前らに絶対幸せなって欲しいからよw少ないけど取っとけw出世したら奢れよw」
また、皆の前で泣いた。みんなの気持ちが嬉しくて、嬉しくて皆もつられてないていた。
イベリ子もびーびー鳴いていた。
そして、決行の日。俺は朝早く家をでた。机の上には書置きを残して
「父さん。母さん。僕は、きっとあなたたちにとってとんでもない親不孝者でしょう」
「けれど僕はどうしても一緒にいたい人がいます。
 だから僕は彼女と生きます。どうか許してください」
当日の作戦。僕は有紀子の降りる一駅前で待機。
そして有紀子は本来降りる予定の一駅前で下車。
合流して2人で九州へ。
本当言うと不安で不安で仕方がなかった。
過去に無計画からとんでもない失敗をし有紀子と引き離された。
好きな人から引き離される苦しみを知っている僕が
今、彼女と家族を引き離そうとしているという事。
もしかしたら、有紀子は降りてきてはくれないのではないかとさえ思いだす。
いや、そんな事はあり得ない。きっと来る。
そして、予定の電車がホームに入ってきた。不安と緊張
心臓がこれ以上ないほどにドキドキと高鳴る。
落ち着こうと深呼吸。ゆっくり目の前でドアが開いた。
そこには、あの時と同じ変わらない笑顔を僕に向けてくれる彼女がいた。
僕が大好きな誰よりも大好きな人が。
その後、僕たちは九州へ。
中村さんを訪ね、僕は中村さんの会社で働く事になった。
住居も彼の助力でアパートを借り、そこが2人の新居になった。
そして、それから二年。
二十歳になった僕らは正式に婚姻届を出し夫婦になりました。
結婚式は挙げず、2人だけでお祝いをしました。
田舎の家とは連絡を取っていません。後悔はしていないと言えばうそになります。
今思えば本当に僕らにはこの方法しかなかったんでしょうか。
いくら古臭い制度があっても僕ら自身が、真っ向からぶつかれば
こんな事しなくても認めてもらえたんじゃないかと思います。
僕にはその勇気が無かった。
僕らは駆け落ちして田舎から逃げました。
さて、この話が10年程前の話になります。
僕らは28になりました。何故今このスレを立てたのか
それは、田舎から逃げたままでいいのかと振り返る転機が訪れたからです。
それは有紀子に子供が出来ました。現在3カ月だそうです。
僕は一人の子供の父親になる者としてこのままでいいのかと考え
子供の事を思えばこのままではダメだと思っています。
なので、明日、実家に行きます。
今までを振り返り、これからの為に今度は田舎と戦ってきます。
どうなるかは判りません。けれどもう逃げません。
はっきりと僕の意思を伝えてきます。
なので、結果についてはまた後日、許されればこちらで報告したいと思います。
指摘もありますが「今」でないといけない理由。
僕の祖父母もそうですが、有紀子の祖母がどうやら長くない様子。
(田舎の内通者からの情報)
ここの所、毎日有紀子を呼んでるとの事。
僕としては和解出来れば会わせてあげたい。
有紀子は今九州にて待機中です。医者の許可出るまでは長旅させられませんし。
さて、途中途中で消息気になるという人物もいたので
そちらから報告したいと思いますがよろしいですか?
 彩香
卒業後は大学へ進学。法学部卒業後現在は司法書士として活躍中。
未だ独身。彼氏募集中とか言ってる。
因みに今九州で働いており、ちょくちょく遊びに来てます。
 将太
卒業後、父親の会社に就職。
その後、自分を鍛えると自衛隊に転職し現在に至る。
先の震災時も現地入りしたそうで心配だったが今は無事引き揚げている。
「俺が出来ることを精一杯やる」とあの頃と全く変わっていない。
彩香にずっとアタックしているが中々上手くいかない様子。
彩香いわく「もうちょっとなんだけど」
 将太兄
あの時の彼女と結婚し今は4児の父。
今は父親の会社の次期社長として日々活躍中とのこと。
因みに将太が家を出たのは「毎日兄貴が嫁とイチャつくのに耐えられない」からとか。
 太一(50)
未だ引きこもり。あの後、数年姿を見せず脂肪説流れるも健在。
どうやら最近某無料ゲームにはまったらしく、そこで出会いを求めてる様子。
ここ数年、ジョギングをしダイエットにいそしむ姿が目撃される。
最近の通称 走るザビエル。
協力してくれた女の子たち。全員すでに既婚者。今でもメール等が届きます。
そしていまでも同窓会では僕らの事が鉄板ネタとか。
 イベリ子
日本ハム、伊藤ハム、プリマハムのドラフト一位指名も加工を拒否。
現在地元の中華屋の女将。
どこでどう転んで捕獲したか不明だが人間のオスとつがいになるという。
トリッキーな動きを見せる。
「ぶふww本命wwゲット也www」
 
有紀子に子供ができた事をきっかけに田舎の家に行くことになりました。
複雑な心境でしたが、2人で話し合いの上
子供の為にも、正式に認めてもらおうと決めました。
しかし、有紀子はまだ妊娠3カ月。
長時間の移動や田舎に戻って考えられる最悪の事態は避けたい。
なので彩香にも相談の上、僕が単身向かう事に。
僕の不在の間、彩香と友人が面倒を見てくれることになりました。
そしておよそ10年ぶりに地元に戻る事に。
久しぶりに戻る地元はかなり様変わりしてました。
有紀子とデートしたゲーセンは潰れてるし。
とりあえず、帰郷したのである人物を訪ねることにした。
そんな訳で僕はとある中華料理屋へと向かいました。
当時色々と協力してくれたぶt・・人に会うため。
電話で良く連絡をしていたが実際に会うのは5年振りくらいになる。
店のドアを開けると、そこにはまぎれもないイベリ子の姿。
「いらしゃ・・・wwwなんだwww客かと思ったwww」
一応客のつもりで来たんだが。
「久しぶり調子どうよ?」
イベリ子
「ぶふwww調子は良すぎよwwwあwwちょっと待ってなwww」
イベリ子、店の奥に引っ込むと何かを抱えて出てくる。その腕には・・子豚・・・え?
「うちのww息子www初めて見せるwwwけどwww」
初めて見るどころか、子供うまれたのも知りませんでしたけど。
「ふひwww驚かそうと思ってwww言うのwwwだまってたwww」
何と、子供が5歳になるくらいまで黙っといて驚かすつもりだったらしい。
と、厨房の奥から旦那さんが出てくる。
・・・なんだこの爽やかイケメンは。
この旦那さん。マ○ックマッシュルームかなんかでイベリ子に騙されてるんじゃないか?
でなければとんだボウケンジャーだよ。
イベリ子「私にwww似てwww可愛かろうwww」
男の子は母親に似ると良いと聞いた事がある。けどこう思いました。
「頑張れ遺伝子!全力で父親に似ろ!」
とりあえず、お腹もすいてたのでラーメンを注文することに。
イベリ子「あwwwじゃ私も昼飯にするはwwwチャーシューメン作ってwww」
・・・チャーシューを食うチャーシューと面向かって食事することに。
思いで談義しながら、今回の目的を相談。
「ぶふwwお前が父ちゃんとかwwwマジワロスwww」お前が言うな!
「まぁ困ったら言えよwww助けにいくわwww」
とエールをもらい、イベリ子一家に見送られ中華屋を後に。
懐かしさもあって少々時間を取ってしまった。
そしてある人物に連絡を入れることに。
前スレの表現で田舎の内通者。
今回田舎に戻るにあたっての最重要人物。実際に会って話すのは10年以上経つ。
町まで出てきてもらいまずはその人と今回の打ち合わせをする事に。
待ち合わせした喫茶店で待つ事数分。その人は来た。
「お久しぶりです」思わず緊張する。
「ええこちらこそ」
軽く会釈をし、彼女、有紀子の母が顔をあげる。
実のところ前スレで問われた部分「10年見つからずに行けたのか」というのはNOで
僕らの居場所は早い段階で見つかってたりします。
少し話は遡って駆け落ちから半年後。
僕らの住むアパートに有紀子の母が訪ねて来た事から。
当時僕は本当にこれで終わりだと思いました。
話によると、当時の有紀子の保険証の使用記録からどこに住んでるかが判ったとか。
探偵を使ったのかどうかはわからないが、案外簡単に見つけられたと。
しかし、彼女は意外にも冷静に僕たちの話を聞いてくれました。
そして「頭を冷やす時間も必要だから、じっくり考えなさい」と言うと、早々に帰って行った。
それからは、有紀子と定期的に連絡をおり.
僕らが籍を入れるときも反対はしなかった。後から知った事だが、彩香曰く
「未成年同士の駆け落ちって誘拐罪になるらしいよ」との事だったので
僕が捕まらなかった事に関してはおそらく有紀子母のお陰だと思っている。
尚、僕らが駆け落ちした後、田舎は大変な騒動になってる・・・・
というわけでもなかったようだ。
何故なら、有紀子の実家の一族、特に婆さんがその事をひたすら隠そうとしたから。
有紀子は予定を変えて大学に進むことになったと言って駆け落ちの事実を隠したとの事。
加えて、当時の家の中での当たりようも悲惨だったらしい。
途中レスでも言われてるように「あんたらの教育が悪い」やら
「跡継ぎを生まなかったのが悪い」とか。
しかし、しばらくして駆け落ちだった事が村中に知れ渡ると
今度は非常に肩身が狭くなったらしい。
色んな経緯があって有紀子の母は完全に認めないまでも
僕たちの事を見守る立場に居てくれました。
なので、今回帰郷という選択肢が生まれたと思ってます。
家の実家に関しては意外にも村八分等も無くやっていけているそうで
ただ、駆け落ちが判明した時は有紀子の家に一週間以上、ただただ平謝り続けたという。
この話は胃が痛くなる思いだった。
話は戻って有紀子の母と互いに近況を話し合い、翌日家に行く事に。
有紀子母曰く「もう家では、決まっているからキチンとしなさい」との事。
僕としては反対&有紀子を連れて行かれる位考えていたので意外だった。
因みに、まだ子供の話はしていない。
子供の話は「跡継ぎが~」とか言われても面倒なので
タイミングをみて話す事にしようと思っていた。
しかし、有紀子母には告げても問題なさそうと判断。
「実は有紀子に子供が出来ました。今回はその報告も兼ねてます」
言い終わってやっぱり跡継ぎが~と言われないか心配だったが
「その事も含めて、貴方達の意思を伝えなさい」と言われた。
心なしか、笑っているように見えた。
そして有紀子母と別れ、気が重いが実家に連絡する事に呼び出し音が鳴り
「もしもし、○○ですが」
聞き覚えのある声。祖母だ。ちょっと泣きそうになった。
「ばあちゃん?僕だけど」
「お前○○か?今何してるの?」
早速質問攻め。
「ゴメン明日帰るから。父さん母さんにも言っといて」
そう言って早々と切ってしまった。なさけない。
そして次の日。レンタカーを借り、村へ。
村までの道は広くなっていたが、車は全然走って無い。
道路広げた意味無ぇ~などと思いながら村に入る。
村の景色は当時と全く変わって無かった。
ただこう言う書き方すると中二臭いが所々に見える人の姿はすごく小さく見えた。
僕が大きくなったからだけでなく、何か村が縮んで行っているような感じ。
もう、消えるのを待つだけのような。そんな感じ。
そして、我が家へ。帰るのは10年振り。けれど全然変わって無い。
元々、涙線の弱い僕。思わず涙が出る。
全く変わらない、鍵のかかって無い玄関を引き
元気よく「ただいま!」と言ってみた。
・・・返事が無い。家に上がってみる。誰もいない。
留守・・・だと・・・あれ?おかしいぞ?
確かに前日「今日帰る」って伝えたはず。
「まさか家間違えた?恥ずかしっ!」とか思いながら確認。間違いない。ココだ。
小さい頃、のこぎりで家の柱切ろうとしてぶん殴られたが、その時の傷もある。
いくら駆け落ちした親不孝者とはいえ
10年振りに帰る息子ガン無視で出かけるってそれは無いだろうと泣きたくなった。割とガチで。
表にでて、車を確認すると車はある。という事は、村の外には出てない。
「おかしいな~」と考えてると不意に後ろから声を掛けられた
「○○か?」声を掛けてきたのは祖父だった。
あぁ~年取ったなぁ~と思った。昔はシャンとしていた腰が少し曲がっている。
「えっと、ただいま」
何と言っていいか判らず思わず
「お前!こんの!よう戻ったなぁ!」
てっきり、怒鳴り散らされるかと思っていた。
けど、予想に反して、爺ちゃんは目に涙を浮かべていた。
「まぁ、中入れ!寒かろう」と促され、家に入る。
「父ちゃんと母ちゃんは?」と尋ねると、もうすぐ帰ってくるとの事。
どうやら、村の寄りがあってそれに行ってた様子。
しばらくすると父、母、祖母が帰ってきた。
母は、僕の姿をみると抱きついて泣いた。
母を泣かせるというのは本当に罪悪感でいっぱいになる。
父も涙は見せないがしきりに頷いていた。
祖母は「家の悪たれが帰った。よう帰った。と泣いていた」
そして、これまでの10年の報告。
今九州で暮らしていること、仕事もキチンとしてやっていけてること
有紀子と籍を入れた事、今、幸せに暮らせている事。
皆何も言わずに聞いてくれた。そして本題。
「これから有紀子の実家に行って話してくる。向こうにも今日行くと伝えてる」
と言うと祖父母は「そうか」と頷き
父母は「なら直ぐに支度しましょう」と着替えに。父母も一緒に行くとの事。
一人で良いと行ったが、キチンとしなければと。
父母の準備が整い、いざ有紀子の実家へ。
有紀子の母が出迎えてくれ、家に上がる。
この時、緊張でおかしくなりそうだった。
僕は元々プレッシャー星人なんで本番に弱い。
有紀子の父がすでに座っている。こうして面と向かうのは一体何年振りだろうか正直、怖い。
父親の威厳というか、気迫の様なものがある。刹されるんじゃないかと思った。
全員が席に座る。重苦しい空気の中どう口を開くべきか。
ここに来るまでに色々考えていたが、最初に出たのは
「有紀子さんと今幸せに暮らしてます。これからもそのつもりです」
最後の方で言おうと考えていた言葉が出てきた。
しくじったと思ってると「そうか。そうか」と有紀子父が頷く。
どうも予想していた感じと違う。
「○○君。有紀子も今幸せなんだね?」有紀子父がそういう。
この空気なら・・・そう思い僕は子供の事を伝える。
その瞬間、有紀子の父はパッと笑顔を浮かべしきりに「そうか、そうか」と頷いていた。
僕の両親は突然の事にポカーンとしていたが
「本当か?」と確認した後、しきりに「よかった」と言っていた。
少し、気分的に軽くなった気がした。
しかし、僕にはまだ言わなくてはいけない事が
「子供がどちらの家を継ぐとかいう話はしません。子供には自由に育ってほしい」
さぁ、どう反対されるかと身構えていると
「そうだな。それがいい」と双方の両親にすんなりと受け入れてもらえました。
さて、気になる事がもう一つ。
僕らの反対を先陣切っていた有紀子の祖母。この人にも認めてもらわなければ。
しかし。どうやら、最後まで認めてはもらえないようです。
有紀子の祖母は痴呆を患い、この一年程誰が誰か判らないのです。
僕が話しかけた時、僕の事を主治医の先生だと思っていました。
結局、僕は最後までこの人に2人の事を認めてもらう事が出来なかった。
この事は以前から知っていた事。
もう長くないと言われて、それでも、憎いであろう僕を見れば
ふと思い出すのではないか、そう思っていたがダメだった。
僕の事を主治医だと思い込んで、しきりに孫の話をし
「今大学生で中々顔を見せんで」と話すのを見るのはつらい
こうして僕の田舎との戦いはほんの少しの後味の悪さを残して終わった。
有紀子の両親とは話し合い、両親が九州に顔を出しに来るとの事。
また、子供が生まれたら必ず顔を見せにくると約束をした。
その後、九州に戻り首を長くして待っていた有紀子に報告。
肝心の婆さんの事は伏せておくことにした。
間違ってるかもしれないが今はこのほうが良いと思う。
僕はこれから父親になります。
過去に僕のやった事は決して子供に誇れるものじゃないと思います。
けれど本当に大切なものの為なら諦めない。
正面からぶつかる事の大切さを教えることはできるんじゃないかなぁと思ってます。